託児所の需要は高まる一方
復職したくてもできない看護師の理由

看護師資格は一生持ち続けられる専門資格です。
しかも、経験年数が重要視される職種ですので、一度離職したとしても復職は容易なはずです。
休眠中の有資格者は50万人と有資格者の半数にのぼっています。

離職理由の多くは、妊娠、出産、育児となっており、
一度目の離職で本人のライフサイクルが変わっていることは、容易に想像できるはずです。
育児中や子供がまだ小学生位ならば、まだ、交代制のシフト勤務にもどれる可能性は少ないです。当然、昼おきて夜寝る、土日休日と子どものライフサイクルに合わせた生活となります。それは、長ければ子供がかなり成長するまで続きます。

そこから、いざ復職しようにも、年齢的に交代制シフト勤務に戻れるかどうか不安が残ります。
結局、病院の雇用形態が看護師の寿命を妊娠までと決めてしまっているのです。
交代制シフト勤務の良い所はどこでしょうか。スタッフが固定している、雇用保険等の固定費が抑えられる、このあたりです。

この思考停止ともいえる閉塞的な雇用形態が、看護師不足かつ待機看護師の多い矛盾を生み出しているのです。
結果として、シフト勤務での慢性疲労により、現役看護師の負担は増え、
雇用イメージは悪くなるだけです。デメリットがメリットを大きく上回っている悪しき慣習です。

しかし、看護師の需要は、病院だけにとらわれず、一般企業も参入できる介護や養老の分野にまで広まりました。
利益偏重と呼ばれようとも、一般企業の考え方は合理化です。
施設などで専門のスタッフを常駐させようとすると、人材不足のため待機看護師・潜在看護師の復職を呼びかけて、補充に努めています。

しかし復職しない看護師にも理由がある。
育児中であれば、託児所を用意して日勤帯の勤務にすれば復職可能。
夜ならば、親元に預けられるので夜勤帯の復職は可能。そうやって穴を埋めていけば、スタッフは揃えられるはずです。
一般企業の利益追求を批判する前に、看護師の求人方法や環境整備について学ぶべきことは沢山あるのではないでしょうか。